【ネタバレ微注意】2019年!ドンピシャな時期にハマったAKIRAの魅力解説①

本日ご紹介したいのは、日本が誇る漫画&アニメ、「AKIRA」です。

「AKIRA]とは?基本知識をさらっとご紹介

AKIRA』(アキラ)は、大友克洋による日本漫画、およびそれを原作とするアニメ映画、ゲーム。

超能力による戦闘とそれがもたらす恐怖、近未来の巨大都市の荒廃した有様やその崩壊を描いたSF漫画。
講談社の漫画雑誌『週刊ヤングマガジン』にて、1982年12月20日号から1990年6月25日号にかけて連載[1](途中、アニメ映画制作に伴う中断あり)。全120話。題字は平田弘史が担当した。
1984年(昭和59年)度、第8回講談社漫画賞一般部門受賞。
1988年、アニメ映画化。ゲーム化もされた。

wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/AKIRA_(%E6%BC%AB%E7%94%BB)

今さらくどくどこのサイトで説明するまでもないほど有名な漫画&映画です。
知らない方のために超絶ざっくり紹介させていただきますと、AKIRAは漫画原作で、作者の大友克洋先生監督・脚本による映画版も存在しています。細かいストーリー展開等はかなり違いがあるのですが、ここではどちらにもそれぞれ違った面白さと魅力があり、非常に人気のある作品という事だけ紹介させて頂きます。
備忘録代わりに、私がハマった魅力と経緯についてじっくりと紹介していきます。

※完全に個人的な、メモ代わりといってよいほどのためにはならない感想です。
※原作→映画の順で見ており、どちらも事前の予備知識はない状態でした。単行本・映画DVD以外の情報(雑誌インタビュー等)は全く知らないので、間違った認識がある場合があります。あくまで個人的な感想として読んで頂けると助かります。

間違った予備知識で、期待せず借りたのが始まり

AKIRAという作品を最初に知ったのは、今から5~6年ほど前のことです。
ネットのまとめサイトにて、画力が高い漫画は?といった内容のスレをなんとなく見ていた時に、大友先生のAKIRAだというレスがありました。
その時貼られていた画像が確かコレでした。

しかし、この画像を見て私はバイクに乗りまわす暴走族のサクセスストーリーもの(???)かと思い、そしてバイク物の漫画に全く興味がなかったので、一瞬でスルーし終わりました。
特に映画版だとAKIRAのDVDのパッケージ等はバイクが重点的に描かれているものが多いので、何も知らないとバイク物(?)のお話と勘違いする方も多いのではないかと思います。

再度AKIRAを知ることになったのは、2019年2月頃の事です。
なぜかまた画力の高い漫画は?という内容のスレを見ており、同じようなレスを読んだのですが「手塚治虫が嫉妬した」という一文があり、手塚治虫が大好きな私はそこで初めて興味を持ったのです。

ケチな私はなんとかお金をかけず読む応報がないかと思い調べてみると、なんと市の図書館で予約&借りられることが分かったので、「まータダで読めるし借りてみっか」という軽ーい気持ちで全6冊を予約したのです。

完全に余談ですがこの時一緒に手塚治虫のシュマリも一緒に予約し、読みふけりました。こちらも無茶苦茶面白い話なので、ぜひ読んでいただきたい作品です。

原作6巻までは、そこまで魅力を感じなかった

正直に言って、原作の5巻終了時点ではそこまで特別な魅力は感じませんでした。
評判通り、絵の緻密さはすさまじく、特に建物の崩壊シーンなどは「これ、描くのにどのくらい時間かかったんだろう?」と何度も首をひねりました。
またストーリー展開も非常に気になり、どのような結末を迎えるのかが全く予想できなかったので、ページをめくる手はとても速かったです。
ただ、そこまでカルト的人気を誇る理由は?と問われると、そこまで言われるほどかな?という感じでした。
しかも、とにかくストーリーの結末が気になったので、1コマ1コマをじっくりとは見ず、考察なんかも一切せず読み進めたので登場人物の相関をろくに把握せず読み進めました。

ここが難しいかも!AKIRA原作

登場人物の心理描写が極端に少ない

2回読み通して確信したのですが、登場人物の1人称での心理描写が極端に少なく、何を考えているのか、どんな心境なのかが結構わかりづらいです。
もちろん少ないというだけで全くないわけではないし、セリフは多いし話の前後や表情などから理解できますが、モノローグなどの一人称の心理描写に慣れていると最初戸惑うかもしれません。
今手元にないので間違ってるかもしれませんが、鉄雄のはっきりとした一人称心理描写はわずか一回だけだったと思います。個人的に、鉄雄へどれだけ感情移入できるかでこの作品の面白さはかなり変わってくると思うので、各々の心理は描写から一つ一つ理解する必要があるかと思います。

話が難しい

これは完全に私の理解力の低さの問題なのですが、SF的内容ということもあり単純に話が難しく、「これはどういう意味なんだ!?」「話してる会話が難しくてわからん!!」「登場人物が驚いているけどなんで驚いてるのかがわからない!!」というようなことが何度もありました。前記の心理描写の少なさ問題もこれに絡んできます。
世の中には難解な作品は星の数ほどあり別にAKIRAに限った話ではないですし、ハマった今となっては突拍子もなく「あのシーンはどういう事だったんだろう?」と考えるときもあります。心の片隅に確実にAKIRAが巣食っていて、そこまで心に刺さる作品というのはあまり多いものではないです。

登場人物が誰かわからない時がある

結構顔の描き分けのバリエーションは少ない方で、たまにコマの登場人物が誰なのかわからない時があります。
特に後半、皆黒髪で顔が同じなため金田と甲斐とケイで誰なのか判別しづらい事がそこそこありました。まあ流れや服でわかるのですが。
あと、原作に関してはかなり登場人物が多く、何回読み返してもこれどこの組織の誰だったっけ???状態の人物がかなりいますが、超個人的な意見としては、金田と鉄雄とアキラ君の3人さえ把握できればOKだと思っています。

原作コミックめっちゃ大きくて驚いた問題

全く難しさとは関係ないのですが、最初あまりの原作の大きさ&分厚さにたまげてしまいました。
大きさは通常の漫画単行本ではなく、いわゆるデラックス版とか愛蔵版を想像してもらえるとわかりやすいかと思います。
重さは…なんというか、普通の漫画本5~6冊分くらいでしょうか。重いです。
最初間違えて特別版を予約してしまったのかと思いましたが、調べたところ原作は緻密な絵が多いので、線がつぶれないようにこの大きさでのみ発行されているとの事です。
知らずに複数巻歩いて持って帰る…なんていう状況があったら、かなりかさばり重いので気を付けてください。

予約状況により図書館で一度に借りることが出来たのは1~5巻までで、そこまでは手を止めず一気に読みました。
6巻が来たのはそれから2、3日後で、その時に既に読んでいた1~5巻は同時に返却してしまいました。
この後6巻を読み一気に魅力に憑りつかれ、最初から読み返したくなり1~5巻を返してしまったことを本気で後悔することになりました。

全く予備知識と期待ナシで読んでも熱狂的にはまってしまう魅力のある作品なので、興味を少しでも持ったのであれば四の五の言わず今すぐ読んでみてくれ!!というのが正直な感想です。

そんな原作の魅力解説

ネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

非常に緻密で、不思議な切なさを感じる絵

まず、誰もが見たら感じるように絵が非常に緻密です。ここまで描く必要ある?とまで思うほど細部まで描きこまれており、爆破や崩壊シーンは本当に見てきたのかと思うほど迫力があり引き込まれます。
ただ、先生の絵の魅力の神髄は圧倒的な切なさだと思っています。
語彙力がなく非常に説明しずらいのですが、なんてことない登場人物が微笑んでいるシーンや、近未来的な街のたたずまい、バイクにまたがっている姿、高速道路の高架下、全てからノスタルジックと言うのか不思議な切なさを感じ、胸が苦しくなります。

荒廃しきった街に現実世界を無意識にリンクさせているからなのか、登場人物たちが全員必死で生きている姿に切なさを感じるのか、正直理由はわかりません。
ただ、単に上手くてかっこいいだけではない絵には非常に魅力を感じます。
これは後ほど知ったのですが、手塚治虫同様世界中のクリエイターに多大な影響を与えたことからも間違いありません。

迫力あるシーンの数々

原作では数え切れないほどのバトルシーンがあります。
大きなものから小さなものまで、とにかく戦ってます。
前記の緻密な絵と相まって、非常に迫力があります。
そしてかなり大勢の人が死にます。バンバン死んでいくので、何人明確に死んだか数えてみようかと思いましたが途方もないのですぐやめました。

近未来的な街

AKRAの世界では何回も街が破壊されていて、どこか荒廃的な魅力があります。
私は工場とか廃墟等が大好きなのですが、無機質な近未来的街並みと、それが朽ちていく相反する姿にとても美しさを感じます。
モノクロでもすばらしいのですが、カラーではより一層凄みがあります。

登場キャラが魅力的

やっぱりストーリーを読み進めていく中で、これが大きな魅力です。

ここから印象に残っているキャラについて少しずつ感想。完全ネタバレを含みますのでご注意ください。

【大佐】
一番初めに主人公でもない大佐の話。
なんで一番初めに?かというと、主人公格のキャラを除いて、私が一番好きな人だからです。
ネオ東京を守るため、不良高校生どもを追い掛け回し、タカシを探し回り、無能なお偉方に腹を立て、あらゆる面で非常に力を尽くしたのに、結局アキラの力は暴走してしまいます。その際破壊された街を見下ろす後ろ姿に、心の底から「お疲れ様でした……。」と伝えたくなりました。

それと、アキラが封印された地下施設でのセリフ。

「見てみろ、この慌て振りを。怖いのだ、怖くてたまらずに覆い隠したのだ。恥も尊厳も忘れ、築き上げて来た文明も科学もかなぐり捨てて。自ら開けた恐怖の穴を慌てて塞いだのだ」

このセリフとまるで石棺のような施設を見て、すぐにチェルノブイリ原発を思い出しました。
作り上げるだけ作って、それを抑える方法は誰も知らない。ただただ臭いものに蓋をして、見ないふりしかできない。
科学を我が物顔で扱う人間の傲慢さと愚かさが、この一言に集約されています。
明言は色々とあるAKIRAですが、私はこのセリフが一番に好きで、印象に残っています。

【おばさん】
最初どういう立ち位置なのか、どういった知り合いなのかさっぱりわからなかったチヨコおばさん。
肉体的にだけでなく精神的にも強過ぎる、いてくれるだけで抜群の安心感を感じてしまうおばさんです。
生まれ変わったらおばさんのような人間になりたいです。
映画では残念ながら全く出てこないのですが、正直2時間しかない映画でおばさんが活躍してしまうと主人公よりも頼りになり目立ちきってしまうので英断だと思っています。

【ケイ】
正直あまり強い思い入れはないのですが、中盤の「一人きりになっても戦ってやる」的な台詞がかっこよすぎます。
AKIRAに出てくる女性キャラは、全員がそれぞれの強さを持っていてとても素敵です。
特に精神的強さが半端なく、明確に男性キャラとの違いが描かれていると思うので、注意して読んでみると面白いです。

【金田・鉄雄】
タイトルはAKIRAですが、AKIRAはこの二人に始まりこの二人に終わる、と思っています。
長い物語の中で鉄雄は圧倒的な力を得ることになり、そして金田は鉄雄を自分の手で始末することを決めます。6巻で二人の関係はなんら変わっていなかったことがわかります。
鉄雄は病弱で、リーダーシップと人望がある小さいときからの友達の金田に憧れと嫉妬という相反する感情を抱いています。力を得て、劣等感をきっかけに自分の圧倒的な破壊の力に溺れていってしまいます。金田は色々とあって、かつての友である鉄雄は自分の手で始末することを決めるのですが、6巻でその決心に明らかに迷いと葛藤が出てきます。金田にとって、鉄雄は最初から最後まで小さいときからの唯一無二の友達で、逆に鉄雄にとってもそれは同じだったことがわかります。そして二人の物理的な殴り合いのシーンは、特別な超能力など関係なく、ただの普通の少年同士のケンカと同じであることも。

AKIRAを読み終わってすぐに色々と調べてみると、鉄雄は弱くてクズだという意見を見ました。
確かに、もともと際立ったとりえもなくぱっとしない生意気な少年が、大きな力をたまたま得て、大量の人を殺し破壊していく様は「調子にのっている」「結局自分の力だけでは何もできてない」「クソ生意気」に見えても仕方ない一面もあります。というか、5巻終了時まで鉄雄の人間像が見えなかったので私が鉄雄に対してそうとしか感じられませんでした。

しかし、6巻を読んで鉄雄の人間像と金田との関係がようやくはっきりと理解できたとき、自分が金田達と同じ15~6歳の頃だったら,鉄雄と同じ力を持ったら、どうしただろう?と考えました。
青春時代鉄雄と同じか、それ以上に自分とは全く違う煌びやかな旧友に対して劣等感を抱き、鬱屈した感情を溜め、そして同時に認めたくはないけれど憧れと羨ましさを抱えながら学生時代を過ごしていた私だったら、絶対に鉄雄と同じ道を辿るだろうな、と思います。
今でこそ年をとり、人と比べるばかりではないし、感受性もだいぶ鈍くなりましたが、二度と戻りたくないほど思春期は自分と他人に敏感になります。あんな苦しい時期にもしも全てを破壊できる力があれば、私は絶対に乱用していたと断言できます。

鉄雄は決して特別な人物像ではなく、もしかしたらずっと昔の自分の姿だったのかもしれない。だから圧倒的な力を得たあとも孤独を感じるシーンや、終盤の力が暴走して人間やめてしまいましたのシーン、そしてなんと言っても金田の「あのときただ、友達になりたかったんだ」の台詞が非常に切なく、また物悲しいです。
金田や鉄雄たちが15~6歳頃という年齢層なのも、非常に上手いです。もう少しだけでも子供か大人であれば、ストーリーはまた違うものになっているんだろうと思えるほど、この年齢は非常に繊細で微妙なお年頃です。

こんな人は特にAKIRAを楽しく読めること間違いなし!

  • 圧倒的な画力の高さを見てみたい人
  • 緻密で繊細な背景を見たい人
  • 廃墟とか工場群とか高架下とかが好きな人
  • SF・近未来な世界観が好きな人
  • 現実世界の東京オリンピックとの融合を感じたい人
  • いろんな意味でのカッコいい男性・女性を見たい人
  • 思春期に暗黒時代を生きてきた人
  • とにかくカッコイイものが見たい人

長くなってしまったので、次記事で映画版と関連商品の感想です。

Follow me!

コメント